2001年の8月から10月にかけて行われたツアーのファイナル、初の武道館公演の模様を収録したライヴDVD。特別に豪華なセットを組んでいるわけでもないのに、ゴージャスな雰囲気を受けるのは、全身白の衣装で決めた彼自身のもっている「華」もあるが、バックメンバーの人数の多さによるところが大きいのではないだろうか。総勢15人というバンド編成は、ライヴでもクオリティの高い音を再現しようという気概が感じられ好ましい。その最高のサウンドに支えられ、確実なテクニックに裏打ちされた情緒のあるヴォーカルはライヴでも充分堪能できる。
黒の衣装に着替えたアンコール冒頭のMCでは、米国の同時多発テロに関してのアーティストとしての立ち位置を素直に語っており、その後に歌われる「LOVE LOVE LOVE」は、ハーレムの教会で歌われるゴスペルに通じるものが感じられた。(末延仁人)